【上演時間 ⁄ 75分】
原作:小村哲生
【当日仕込時間:90分~120分程度(暗幕の有無・会場の状況により多少異なります)】
鬼の小づちは不思議なこづち
悪い人間叩いたならば たちまち角生え鬼となる
ここは地獄。人を騙したり人に意地悪をした人間が、死んだら必ず落ちてくる。地獄は今、落ちてきた悪い人間で溢れ、鬼不足で困っていた。そこへ閻魔大王からの厳命が下る。
「鬼の小づちを持って、人間界へ使者を送れ!」
鬼の小づちは不思議な小づち。悪い人間の頭を叩くと、頭から角が生えて鬼になる。鬼を増やすため、人間界への使者に選ばれたのは、地獄では役立たずでお人好しの“青鬼のゲン”。
ゲンは、地獄に落ちてきた人間を苦しめて、心から改心させるのが仕事なのに、ついつい人間に優しくしてしまう。そんなゲンが人間界にいる悪い人間を、小づちで叩いて鬼にして地獄に連れて来なければならない。ゲンは勇気を奮い起こし、人間の世界へ…。
ゲンが人間界で最初に出会ったのは、心の優しい“与作”と“おさよ”の兄妹だった。二人はいつも“庄屋の息子・太郎べぇ”にいじめられていた。
この二人の兄妹愛に心を打たれたゲンは、何とかしてこの兄妹を助けようとするが、権力をかさに一人孤立している太郎べぇにも同情してしまう。
ゲンは、太郎べぇが忘れてしまった優しさを何とか思い出させようと、奮闘する。だが、角が生え鬼になった太郎べぇは、地獄へ…。
本当の優しさと勇気に気づいた村の仲間たち。一人一人の力が合わさり、大きな力になる。
人の喜びや悲しみ、優しさを知って、人はもっと強くなる。